【後編】ベンチャーの資金調達に選択肢を!今、「ベンチャーデット」が熱い!
前編では『Siiibo』や社債発行に関心を持った経緯、そして投資家の方々へ情報公開のポイントについて具体的なお話を伺いました。後編では、社債発行に至るまでの進め方や発行によってどのようなメリットがあるのか等、さらにお話を掘り下げて伺っていきます。引き続き、ペイトナー株式会社CFOの林 峻人氏に弊社代表小村 和輝がお話を伺いました。
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【前編】フィンテックで急成長中の「ペイトナー」が18日間で資金調達を実現できた理由
お話を伺った方:
ペイトナー株式会社 Chief Financial Officer 林 峻人様
『Siiibo』チームのアジャイルかつ親身なサポートが発行プロセスを容易に
小村:続いて社債発行に至るまでの「プロセス」についてお伺いしたいと思います。準備から発行において社内でどのような体制をとられていたのでしょうか。
林:基本、私1名です。前職で監査法人にいたこともあり、任意監査や御社の発行審査等は、私が全てを対応していました。弊社側のプロセスとしては特に支障なく進めることができましたが、業務のボリュームが相当な量であったため、作業を進める上で御社側への確認や質問事項が出てくる場面がありましたよね。その際、御社の担当チームの方から、温度感が高くご対応いただけたので、本当に頼りにさせていただきました。
チームの方々には、中身のクオリティもさることながら、私のリクエストにもタイムリーかつ真摯にご回答いただけたので、圧倒的な安心感を持って業務を進めることができました。
小村:弊社には証券会社での経験を持つ営業が複数在籍していますので、プロセスを進める上でのご質問対応にはかなり力を入れております。御社とのやり取りはSlackコネクトを活用し、リアルタイムで対応させていただきましたよね。弊社としてはSlackを利用されている企業様にはこのような形でアジャイルに対応していますので、そのようなフィードバックをいただけて何よりです。
林:もう一つ言わせていただきたいのですが、『Siiibo』での資金調達は他の銀行融資では追随できないほどのスピーディさが強みですよね。審査等諸々の準備が終わってから着金確認できるまでが2、3週間というとても速いテンポ感で動けたことにとても感謝しています。
すでに2回の社債発行を『Siiibo』でお願いしましたが、こちらの想定を上回る投資家さんのニーズを取れたこと、また調達という意味ではよりポジティブな結果に着地できたことも嬉しく思います。
欲を言いますと、今後、調達の潜在的なニーズがありそうだ、みたいな時期を見越して『Siiibo』から自動連絡をいただけるようなサービスが追加されたらありがたいですね。通常業務をしつつ随時、能動的に御社にコンタクトを取れるかどうか自信がないので、そういったサービスがあると調達の時期を検討する上でありがたいと思います。
小村:ご要望ありがとうございます。『Siiibo』は「有価証券届出書等も不要の相対的に低いオペレーション・管理コスト」「金額・年限・利率等における柔軟なターム設計」「発行スピードにおいて審査開始から発行まで約1ヶ月、2回目以降は審査期間を圧縮できる可能性が高い」を特徴にしております。
御社にご利用いただいた際、審査プロセスの部分が一番時間を費やしたかと思いますが、その部分に関してもさらなる効率化、またいただいたご要望もプロダクト検討しながら進めていきますので、今後はトータルでかなり「短時間」でお使いいただけるようになるかと思います。ぜひご活用の継続を検討していただければ幸いです。
ベンチャーの資金課題を解決する社債発行『Siiibo』は新たな選択肢の一つに
小村:改めて『Siiibo』の社債発行を利用して良かった点などをお聞かせいただけますか。
林:『Siiibo』の社債発行を通じて、当初我々のニーズであった「資金調達手段の多様化」が図れました。社債が新しい調達手段として選択肢の中に入ってきたことで、我々のファクタリング事業の今後の成長を担保できて、本当に助かりました。
本インタビュー前編で、必要資金すべてをプロパー融資で賄うのは難しいので、資金調達手段を検討するのもひと苦労だという調達の悩みをお話ししましたが、この悩みは弊社だけではなく、他のベンチャー企業においても同様の悩みを抱えていると肌で感じています。調達ニーズがあるものの、どこに声をかけたらいいのか、どこから借りればいいのかが分からない状態なのです。
だからこそ、御社の『Siiibo』で調達できる社債に限らず“ベンチャーデット”、そしてデットを取り扱う企業の知名度がどんどん上がっていくといいなと感じています。
例えば、“シンジケート的な共通の枠組みの中において複数社で融通する”ことができれば、発行体にとってもリスク分散、まとまった額が得られる等、お互いにメリットがあるではないか、とも思うのですがいかがでしょうか。
小村:そうですね。現在、“ベンチャーデット”という市場が日本で急成長していますが、黎明期であるがゆえに玉石混交のプレイヤーがどうしても存在してしまう状態が「今」なのかもしれません。その中でも健全なプレイヤー同士が手を組んで資金調達手段に悩みを持つベンチャー企業向けの総合窓口を作るのはどうだろうか、という構想は持っています。
例えば、ベンチャー企業の方々の使いやすさを考えると、シンジケートというほどの枠組みを作らなくとも、例えばSlackで1つグループを作る等から始める方法はあるかと思います。ベンチャーデットのプレイヤー同士連携しながら、さらに使いやすい形を目指していきたいですね。
林:実現を楽しみにしています。我々が御社で発行している社債は、いずれも無担保無保証です。これは「これ以上担保を付けられない」「既に融資で担保を付けているからABL融資が難しい」といった資金調達に悩みを抱える創業間もないベンチャーにとってはありがたい仕組みです。と同時に社債発行はかなり有効な資金調達における選択肢のひとつになると思いますので、ぜひ引き続きよろしくお願いいたします。
小村:御社の社債発行は、ベンチャー企業が株式発行や銀行融資以外でデット調達する新しい資金調達手段として多くの方に知っていただく機会になりました。引き続き、資金調達多角化手段としての社債発行を周知することで、企業のファイナンスに貢献していく所存です。本日はどうもありがとうございました。