社債に投資するメリットとリスクとは?社債の種類もあわせて解説

公開日:2022年11月4日
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社債とは企業が発行する債券のこと

社債とは企業が資金調達を行うために発行する債券のことです。そもそも債券とは、国や企業が、投資家から資金を募る目的で発行する有価証券です。

基本的には借入と同じで、投資家側は資金を一定期間貸出すことによって利息収入を得ることができます。

社債には満期日が定められており、それを償還日と呼びます。発行企業は償還日には、社債の額面金額を返済しなくてはなりません。

社債投資のメリット

社債投資は、年限と利率が予め定められていることによって投資計画を立てやすかったり、定期預金と比較すると高利回りである、などのメリットがあります。ここからはこれらを詳しく説明します。

メリット① 社債への投資は市場相場に左右されにくい

投資家が社債に投資するメリットの1つ目として、市場相場に左右されにくいことが挙げられます。社債は投資家からの借金であるため、発行から満期日までの間に市場で社債券の価格変動があったとしても、最終的には元本が返済されます。

また、社債を保有している間、一定期間ごと(年2回が主流)に投資家は利息収入を得ることができます。満期日や利率は予め定められているので、比較的投資計画を立てやすい金融商品であるといえます。

メリット② 社債投資は相対的にミドルリスク・ミドルリターン

社債は債券の1つであり、相対的にミドルリスク・ミドルリターンと言われています。
株式に比べると価格変動のリスクが少なく、銀行預金よりは利率が高く設定される傾向にあるためです。

現在日本の銀行の金利は、普通預金でおおむね0.001%。それに対して、社債の金利は市場の需要と供給のバランスによって定められ、銀行預金と比較すると高く設定される傾向にあります。仮に年率0.5%の社債を1年間保有して償還した場合、利息は銀行預金の500倍になります。
このように、社債はミドルリスク・ミドルリターンの投資手段としてポートフォリオの一つに加えることができる投資手段です。

メリット③ 中途換金できる社債もある

メリットの3つ目として、社債によっては、償還日を迎える前に中途換金できることがあります。

例えばマイホームの購入など、投資資金を現金化したいケースもあると思います。そんな時、社債によっては、中途換金して現金化できる社債もあります。

通常、社債を含めた債券は短期金利が長期金利の水準を上回った逆イールドの状態を除いて、償還までの年限が増えるほど、金利が高く設定される傾向があります。

また、同じ発行体でも償還までの年数が異なる複数種類の債券が発行されていることがあります。購入の際には、自分の資金利用計画に合った年限の社債を選ぶのが良いでしょう。

社債投資のリスク

投資計画が立てやすいとはいえ、社債への投資にデメリットがないわけではありません。具体的には、発行企業の倒産リスクや途中売却する際に起こる市場価格の変動リスクなどです。社債を購入するうえでは、これらのリスクのことも理解するようにしましょう。

リスク① 発行企業が破綻する信用リスク

社債に投資するリスクとして、発行企業の財務状況により、元本が戻ってこないケースが挙げられます。

元本が戻ってこない理由はいくつかありますが、最も典型的なのは発行企業が倒産した場合です。企業が倒産すると、借入金は弁済順位に基づいて債権者に返済されますが、状況によっては元本が返済されないケースもあります。
そのため、社債に投資を行う際は企業の信用力を見極めないといけません。

見極める一つの手段が格付けです。民間の第三者機関がその企業の信用力に応じて社債をランク付けしています。評価が高いほど安定性が高いといえます。

リスク② 途中売却時の価格変動リスク

社債投資のもう一つのリスクとして、満期日よりも前に売却して手放す場合、価格変動リスクにさらされるということが挙げられます。

社債は発行後、市場で継続的に取引されます。そこでの需要と供給の偏りによっては市場価格が大きく変動する可能性があります。

満期まで保有し続けて償還を待つのであれば価格変動の影響を受けることはありません。
そのため、社債に投資する場合は、あらかじめ満期までの期間を見越した中長期的視点の投資計画を立てておく必要があります。

社債には様々な種類がある

社債にもいくつかの種類があります。具体的には、株式に転換できるものや、弁済順位が普通社債よりも低いものです。ここからはそれぞれの特徴を解説します。

普通社債

普通社債は最も一般的で多く流通している社債で、英語では「Straight Bond(SB)」と呼ばれています。償還されるまでの期間である満期が定められており、満期までの間、投資家はあらかじめ決まった利息収入を得ることができます。
現金化したい場合は、満期を迎える前でも市場で売却・譲渡することができます。

劣後債

劣後債とは、普通社債に比べて弁済順位が低い社債のことです。

普通株、優先株、劣後債、無担保社債、担保付社債を発行している企業がデフォルトした際の一般的な弁済順位として以下になります。
担保付社債(担保分のみ) > 無担保社債 > 劣後債 > 優先株 > 普通株

元本返済の不確実性が普通社債よりも高いため、その分金利が高くなる傾向にあるのが特徴です。

転換社債

転換社債はその一部、もしくは全てを予め決まった条件で発行体の株式に転換できる権利を持った社債のことです。英語では「Convertible Bond(CB)」と呼ばれています。

市場で発行体の株式が値上がりした時に転換を行うことによって、その値上がり益を享受することができます。転換をしなくても、社債として利息収入を継続的に得ることができます。

ワラント債

ワラント債はあらかじめ決められた条件で、発行体の株式を新規購入できる権利のついた社債のことです。
ワラント債には分離型非分離型の2種類があります。分離型の場合は、社債の部分と新株予約引受の部分を分離することが可能で、非分離型の場合はその分離ができません。

なお、2002年に商法が改正され、転換社債と非分離型のワラント債は統合して「新株予約権付社債」と呼ばれるようになりました。

仕組債

仕組債とは、特殊な条件付けにより発行された社債のことです。
仕組債の中で、よく発行されるものがEB債株価リンク債の2つです。

EB(Exchangable Bond)債とは日本語で言えば「他社株転換可能債」で、償還日に、金銭ではなく、他社の株式で償還される可能性のある社債です。一方で、株価リンク債は株価の変動次第で満期までの期間、利率、償還金額などが変更される社債です。
仕組債は、外部要因が複雑に絡むことで不確実性が高く、その分高利回りに設定されている事がありますが、同等にリスクも大きいため、購入には十分な商品理解が必要です。

メリットとリスクを把握して社債投資を活用

本記事では、預金などと比較した社債投資のメリット・デメリットや、社債の種類を説明しました。

金利や年限が決まっていることで投資計画を立てやすい特徴を持っている一方、企業の財務状況により元本が返済されない可能性があるなど、デメリットもあります。
性質を理解した上で、社債投資を活用しましょう。