社債とは?社債の種類や、株式との違いを詳しく解説

公開日:2022年9月9日
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社債とは企業の借金のこと

社債とは、企業が資金調達を目的として発行する債券を指します。株式と同じ有価証券ですが、その位置づけは異なっています。

社債はいわば企業の借金であり、投資家は社債を購入することで企業にお金を貸します。企業は満期までの利息を定期的に支払い、これが投資家の主な利益になります。そして満期時に元本を償還して返済完了です。

それに対し、株式は企業の資本です。株式を購入した投資家は株主となり、企業の経営状況に応じて配当金を受け取れます。

また、株式は市場取引されている銘柄であれば好きなタイミングで第三者に売却でき、購入時より株価が上がった時点で売却することにより利益を得られます。

社債と株式の違いをまとめると以下のようになります。

  社債 株式
企業から見た位置づけ 借金 資本
投資家の位置づけ 貸主(債権者) 株主(出資者)
主な利益 利息 配当、売却益

このように、社債と株式は「企業から購入する有価証券」という共通点はあるものの、性質は異なっています。

社債と株式の違いについては、後ほど更に詳しく紹介します。

社債にはどんな種類があるのか?

社債にはさまざまな種類があり、用途やリスク許容度に合わせた柔軟性に富む投資が可能です。主な社債の種類を以下でご紹介します。

普通社債

一般的に「社債」と呼ばれるのはこの普通社債です。「ストレート・ボンド(SB)」と呼ばれることもあります。後述する弁済順位の違いや株式への転換オプション付帯のない最もシンプルな社債です。

劣後債(ジュニア債)

劣後債は元本や利息の返済順位(弁済順位)が低い社債を指します。会社の経営破たんなど、特約で定められた劣後事由が生じた際、元本の返済や利息の支払いがなされないことがあります。

普通社債と比較すると高リスクですが、その代わりに利息率が高く設定されています。

なお、弁済順位が高い社債は「優先債(シニア債)」といいます。

転換社債(転換社債型新株予約権付社債/CB債)

転換社債は「転換社債型新株予約権付社債」の略で、CB債(Convertible Bond)とも呼ばれます。購入後、発行時に定められた一定の条件で株式に転換することができる権利(=新株予約権)を持つ社債です。また、株式に転換せずに社債として利息や償還金を得るか選択することもできます。

発行時に決められた値段(転換価格)以上に株価が上昇したタイミングで株式に転換して売却すれば利益を得られます。

転換後は株式として扱われるため、元本の返済や利息の支払いはありません。その代わり通常の株式と同じように、株主の権利を得られる点が大きな特徴です。

ワラント債

ワラント債は、社債を購入した際その企業の株式を購入できる権利がついている社債です。

転換社債と似ていますが、株式を取得するために別途費用が必要になる点が異なります。また、株式を購入した後も社債が残るため、満期時には元金と利息を受け取ることができます。

電力債

電力債は、電気事業法に基づき電力会社が発行する社債です。一般の企業が発行する社債とは異なり、一般担保がついています。この一般担保により、万が一の場合でも他の債権者より優先して弁済を受けられます。

金融債

金融債は特定の金融機関のみが発行できる社債です。中でも割引債は特徴的です。
額面より安く発行し、期中に利息の支払いは行わず、満期日に額面金額を返済する債券です。

例)額面100円の債券を90円で発行して、2年後に100円で償還する

現在ではほとんどの金融機関が金融債の新規発行を終了しており、発行残高は大きく減少しています。

外国債

外国債は「発行者」または「発行場所」が外国、または「発行通貨」が外国通貨のいずれかである債券の総称です。購入時の支払いや満期時の受取りに利用される通貨によって、以下の3つに大別されます。

1.円建債券

購入並びに償還、利息の受取りがすべて日本円で行われる債券です。外国債ではあるものの、円建てのため為替リスクはありません。

発行者は海外(非居住)の政府や企業であり、発行場所によって「サムライ債」と「ユーロ円債」に分けられます。

サムライ債

発行場所が日本市場である円建債券です。一般的に円建債券といえばこちらを指します。

ユーロ円債

発行場所が日本以外の市場である円建債券です。自国以外の市場を指す「ユーロ市場」に由来し、欧州連合の通貨を意味するものではありません。

サムライ債よりコストは低いですが、発行場所の情勢に影響される、いわゆる「カントリーリスク」が生じます。

2.外貨建債券

購入並びに償還、利息の受取りがすべて外貨で行われる債券です。中途換金時や利息の受取り時、満期償還時に為替相場の影響をうけます。為替リスクは生じますが、例えば購入時より満期時の方が円安である場合は為替差益を得られるというメリットもあります。

外貨建債券のうち、日本市場で発行されるものを「ショーグン債」と呼びます。発行場所が異なるだけで、一般の外貨建債券と変わりはなく、為替変動のリスクも生じます。

3.二重通貨建債券

購入並びに償還、利息の受取りを2種類の通貨で行う債券です。為替変動リスクを抑えつつ、為替差益を狙えるというメリットがあります。償還金だけ外貨で受け取る「デュアルカレンシー債」と、利息だけ外貨で受け取る「リバースデュアルカレンシー債」に大別されます。

株式との違い① 社債は返済義務がある

先ほどご紹介した通り、社債も株式も企業が発行する有価証券という点は同じです。しかし、その性質やリスク、リターンの幅には大きな違いがみられます。まずは返済義務の有無という観点から、社債と株式の違いを解説します。

社債とは返済義務のある借入金

先ほどご紹介したとおり、社債とは企業の借金です。投資家は社債を購入することで、債権者として企業にお金を貸し、企業は借りたお金で事業を行い、投資家に利息を支払います。

そして返済時期(満期)が来ると、企業は投資家に対し、元本の返済を行います。

社債は借入金という性質上、返済義務が生じます。万が一企業が倒産した場合は、弁済順位に従い、企業の弁済原資から回収することになります。回収率を事前に予測することは難しいですが、必ずしも元本が全く回収できないとは限りません。

株式とは返済義務のない出資金

一方、株式は企業の資金となり、返済義務はありません。企業が倒産した際には株主(投資家)に対する残余財産の分配はなされますが、債権者への弁済が100%完了した後に限られるため、株主が分配金を得られる可能性は極めて低いといえます。

株式との違い② 社債はミドルリスク・ミドルリターン

社債と株式のもうひとつの大きな違いは、リスクとリターンの大きさとリスクの性質です。社債は相対的にミドルリスク・ミドルリターンと言われ、金融機関の通常の貸出金よりもリスクが高く、株式よりもリスクが低い金融商品です。投資した資金が還ってこない、または投資した資金の元本が毀損される可能性がある程度ありますが、投下資本に対する見返りもある程度期待できるといえます。
社債と株式の相対的なリスクを比較すると以下のようになります。

  社債 株式
信用リスク  企業の信用度による  企業の信用度による
価格変動リスク 比較的、値動きは小さい 比較的、値動きは大きい
流動性リスク 相対的に高い 相対的に低い

それでは、詳しく見ていきましょう。

株式はハイリスク・ハイリターン

まず、先ほどご紹介したとおり、株式は購入時よりも株価が上昇したタイミングで売却することにより利益を得ます。

株価が大きく上昇すれば多額の利益を得られますが、逆に下がると損失に転じてしまいます。特に株価が暴落すると、一夜にして資産を失ってしまうことにもなりかねません。

また、株式は返済義務がありません。企業が倒産した場合の補償もなく、投資したお金がまったく返ってこないこともあります。

株式はハイリスク・ハイリターンであり、リスクを取ってでも大きな利益を獲得したいという方に向いた投資商品です。

社債と株式のリスクを比較

続いて、上記の表でご紹介した3つのリスク

  1. 信用リスク
  2. 価格変動リスク
  3. 流動性リスク

について、社債と株式を比較していきましょう。

1. 信用リスク

信用リスクとは、会社の業績悪化や倒産により、商品の元本や利息が将来に渡り支払われるかどうかが不確実であることを指します。デフォルトリスクや債務不履行リスクともいいます。

社債においては元本及び利息の支払いが滞る、もしくは支払いがなされない、株式においては会社が破たんした場合、価値がゼロになる、という形で現れます。

社債にせよ株式にせよ、企業に対して投資をする際には、発行企業の信用リスクを把握することが重要です。

2. 価格変動リスク

価格変動リスクとは、投資した資産の価値が変動する可能性のことです。リスクといっても悪い状況だけをいうのではなく、上昇、下落を総合した「値動きの振れ幅」を指します。

価格が変動する代表的な金融商品は株式です。購入時より株価が上昇したタイミングで売却することで利益を出します。

また、社債の価値も日々変動しています。社債は満期を待たずに売却もできますが、売却時の価格が購入時の価格を下回ると損失が生じます。

3. 流動性リスク

流動性は「現金化のしやすさ」を表す指標です。

株式は市場取引されている銘柄であれば証券取引所ですぐに売却でき、数日後には現金を手にすることができます。一方、債券は繰上償還(コール)条項が付与されていなければ、満期時まで償還はされません。

日本の社債流通市場は株式市場ほど成熟していないため、売却までに時間がかかったり、売却が難しい社債もあります。

その点から考えると、社債は株式より流動性リスクが高いといえます。

社債も株式も、投資には何らかのリスクが存在しますので、リスクの内容を把握したうえで、自身に合った投資法を選ぶようにしましょう。

社債とは決まった期間で決まった利息が得られる投資手段

本記事では、社債の特徴を株式との違いを挙げつつ解説しました。

社債は企業から投資家への借金であり、貸主(債権者)である投資家は、定期的に利息を受け取ることができ、満期時には元本が返済されます。

企業の経営状況により、利息や元金が支払われないリスクはありますが、信用性の高い企業の債券を選ぶことで、ある程度元本割れのリスクは軽減できます。

決まった期間で決まった利息が得られる資産形成の手段を探している方は、社債の購入を検討してみてはいかがでしょうか。

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